【ステモン高崎校】しなやかマインドセット
お子さんが挫折したときに、どんな言葉で励ましますか?
こんな状況を思い描いてください。
お子さんが初めての体操競技会に向かいます。初めての競技大会なので多少の不安はあるようですが、体操は得意なので入賞できたらどこにメダルを飾ろうか、そんなことも考えています。 なかなか素晴らしい演技でした。しかし、結局入賞を逃してしまいました。その時どんな言葉で励ますでしょうか?
- お前が一番うまいと思う、と言う。
- おまえが入賞すべきなのに判定がおかしい、と言う。
- 体操で勝とうが負けようがたいしたことではない、と言う。
- お前には才能があるのだから次はきっと入賞できる、と言う。
- お前には入賞できるだけの力がなかったのだ、と言う。
私だったら4に近いでしょうか。子供の自尊心を傷つけず、次に向かって努力してもらいたいと思うので。
上記はマインドセット(草思社)という本の中での一節なのですが、この本では4は一番危険なメッセージなのだそうです。才能さえあれば、おのずと望むものが手に入る、そして失敗するのは才能がないことの証というメッセージを伝えてしまうかもしれない、と言うのです。ある親は実際にはこういったそうです。
「気持ちはわかるよ。入賞目指して思いっきり演技してダメだったんだから、そりゃ悔しいよな。でも、おまえにはまだ、それだけの力がなかったんだ。あそこには、おまえよりも長く体操をやっている子や、もっと懸命に頑張ってきた子が大勢いたんだ。本気で勝ちたいと思うなら、それに向かって努力しなきゃ。」
本ではマインドセット(心の持ちようとでも言うのでしょうか)を2つに分類しています。1つは、能力は固定的で変わらないという考え「硬直マインドセット(fixed mindset)」で、 もう1つは 人間の基本的な資質は努力しだいで伸ばすことができるという考え「しなやかマインドセット(growth mindset)」です。
硬直マインドセットでいると、自分が他人からどう評価されているか気にするため、失敗しないことだけをするようになったり、失敗を他の人や社会のせいにするようになるそうです。一方、しなやかマインドセットでいると、関心は自分を向上させることにあって、うまくいかないときも失敗から学ぶことができ、粘りづよい頑張りを見せることができるそうです。
以前の記事で成功の条件にやり抜く力(グリット)が関わっている、というお話を紹介しましたが、やり抜くためには「しなやかマインドセット」を持っていることが必要なのです。
私が思うに、「しなやかマインドセット」を持つということは、自分を自分で評価する自分軸を持つことだと思います。子供達には、いつも人生の主人公でいて欲しいと思います。しかし、若い人ほど他人の価値観の中で自分を評価してしまいやすい環境にあるとも言えます。
ステモンでは「自由に」ものづくりをしますが、自由な活動の中から、他人目線でない自分軸を発見してもらいたいという意味があります。自分が面白いと思うものが何なのか、どうやったら面白いものを友達と共有できるかを自分で発見して欲しいのです。
若い人が自分軸を発見できるように、励ましながらさまざまな体験をさせることが大人の責任だと思います。また、私たち大人自身も「しなやかマインドセット」で学び成長しようとする姿勢を子供たちに見せたいとも思います。